北海道はすっかり冬の景色になりました。
落ち葉の上に降り積もる雪を踏み締めて、その音を楽しみながら歩いています。
毎年、晩秋から初冬にかけて黄色く色づく銀杏並木から降ってくる落ち葉の美しさや真っ赤に色づく紅葉をみるとフジ子・ヘミングさんの「ラ・カンパネラ」が聴きたくなります。
イタリア語で「鐘」という意味のリスト作の「ラ・カンパネラ」。
フジ子・ヘミングさんの弾く「ラ・カンパネラ」は澄んだ天空に響きわたる鐘の音。
強弱があり繊細かつ力強さもあり、純粋で魂のこもった臨場感もあり、まさにフジ子・ヘミングさんの人生そのもののように心に響いてきます。
彼女はスウェーデン人の父と日本人の母を持つハーフのピアニストでしたが当時の日本では異国の顔立ちが受け入れられず、ピアノ留学したヨーロッパでもやはり受け入れられずどちらにいても孤独や誹謗中傷の日々。心許せる相手は猫達だけだったようです。
貧困と飢えの中でかなりの努力を重ねてようやくヨーロッパで個人での演奏会をできるチャンスに恵まれたのに、貧しくて病院にかかれず、風邪をこじらせて市販の薬を飲んだことにより演奏会前日に全く耳が聞こえなくなってしまったんです。
ピアニストにとって耳が聞こえないのは致命的で、演奏会は悲惨なものとなり、道が突然閉ざされてしまいました。
貧困と空腹に耐え、偏見と誹謗中傷の目や言葉に耐えながらようやく掴んだチャンスだったのに一瞬にして絶望の淵に落とされてしまいました。
ずっと努力し耐え続けてきた人生にまたもや絶望とも思われるくらいの試練。
なぜ天はこれほどの試練を与えたのでしょうか?
外の世界は心無い誹謗中傷の声や不穏な雰囲気。低い波動の世界の中でフジ子・ヘミングさんは1人で、ただただひたむきに努力を続けてきました。
突然音のない世界になり絶望と不安の中、唯一猫だけが癒しと心の支えになり過ごされました。
全ての外部の音を断ち天から響いてくる純粋で美しい音だけを心でキャッチし、ピアノを弾く。
「ラ・カンパネラ」の作者、リストの思いや感性を心の耳で聞き、それを全身全霊で表現なさったからこそ、私達の心に響いてくるのだと思います。
本当に純粋で美しい、天の波動を持つフジ子・ヘミングさんの「ラ・カンパネラ」
彼女の壮絶な人生の中でも微かな光の中で愛と情熱を持ち続けて心の耳で天から響く霊性の高い純粋な音を聴き全身全霊でピアノを弾くからこそ私達に感動と癒しを与えてくれるのだと思います。

ピアニストの辻井伸行さんは生まれながら眼球が成長しない障害で全盲で生まれました。
音に異常に敏感で、赤ちゃんの時、不快な音で不機嫌になっていましたが、ある音楽をかけると喜ぶことにお母様が気づき、「この子は音楽の才能がありそう」と思われて、いろんな音楽を聴かせたり、ピアノを習わせてみました。
美術館に連れて行き、絵に関して説明したり、スキーやスケートにも連れていきました。ふつうの子供のように花火大会にも連れて行きました。
美しい空、山の風を感じ
美しいものを心の眼で感じ
風のささやきが教えてくれるものを感じられるようになりました。
ピアノに向かう時は全身全霊でご自分の心の目でみた世界観をピアノで表現しました。
目は見えないけれど心の目で全て見て感じ表現して、たくさんの人々を感動させるのです。
障害のあるお子様は「特別な使命を持った魂」として生まれてくるのです。
地球や人類の波動を高めるために、自ら困難な環境を選び、学びと気づきをもたらす存在としてこの世に降りてきたといわれます。
またその親となる方もその子が生まれながらの障害という困難に果敢にチャレンジして人々に感動や勇気を与えるために生まれてくることをしっかり受け止めて、約束して親になるのです。その子の持つ特殊な才能を見つけて褒めて伸ばして、無償の愛を注ぐ学びをするのです。
お子様と天界でお約束してきた親はもうすでに、「魂の成熟度が高い」「深い愛情と受容力を持っている」「他者の苦しみに寄り添える感性を備えている」という方だと思います。
困難な状況を乗り越えるだけの内面的な強さと気づきを、親子ですでに持って生まれてきていると私は思います。
大変なご苦労や将来の不安やたくさんの葛藤を抱えていらっしゃると思います。
天は乗り越えられない試練は決して与えないのです。
困難を乗り越えられる方だからこそ選ばれたのです。
そしてこの親子の周りにいらっしゃる方、どうか「お手伝いしますよ」とか「頑張っていらっしゃいますね。」とか「お身体、大切になさって無理をなさらないでくださいね」などと暖かいお声をかけて差し上げてくださいね。
そして困難な中で心の目と耳で天の波動を捉え世の中の方に希望の光を与えてくれる素晴らしい音楽を聴いてくださいね♪



